NIKONIKODIY
K005 | 冒険から持ち帰った宝物 | 琉璃 | 風祭涼の冒険編が完結! |
K005 | 冒険から持ち帰った宝物 | 琉璃 | 風祭涼の冒険編が完結! |
「お帰り、涼先輩。」オアシスが微笑みながら声をかけた。彼は目を細めてうなずき、歩みを進めた。
「戻ったぞ。宝物を持ち帰ってきた。」風祭涼先輩は言った。その言葉に、オアシスは静かに頷いた。
風祭先輩が学校に戻ったあと、彼は他の誰にも言わず、無口でただ静かに宝物を持ち帰った。宝箱の中には、彼が冒険で見つけたものが収められております。洞窟での出来事、そして雷風と過ごした時間は、彼の胸の中に深く沈んだままだった。あの神秘的な力、封印されていた存在については、まだ口にするには時期が早すぎると感じていた。
風祭が静かな学校の廊下を歩いていると、ふと一人の学生が近づいてきた。その学生は、風祭涼が普段からあまり関わらない、少し目立つことなく静かな性格を持つ人物だった。その顔には、少し不安げな表情が浮かんでいる。
「涼先輩…ちょっとよろしいですか?」その学生は少し躊躇いながら声をかけた。風祭は足を止め、その学生を見つめた。
「君は…?」風祭は顔を引き締めて問いかけた。
「すみません、突然で。でも、涼先輩が言いたくないこと、僕は分かります。」その学生は真剣な眼差しで風祭を見上げて言った。
風祭は少し驚き、眉をひそめる。「分かるって…?」
「はい。」その学生は少しだけ間を空け、ゆっくりと言った。「神秘な洞窟のこと、そして雷風とのこと、僕は知っています。実際、僕が追っていた情報があるんです。涼先輩が消えたとき、僕もその場所に向かおうとしたんですけど…どうしても、先に行くことができませんでした。」
風祭はその言葉を聞いて、思わず後ろに一歩引いた。彼は慎重にその学生の顔を見つめながら、その言葉の意味を噛みしめる。
「君は、いったいどうしてそんなことを知っている?」風祭の声には警戒心が混じっていた。
学生は静かに息をつき、そして続けた。「僕は、涼先輩が迷っていることを知っています。それだけではありません。雷風が消える瞬間、あの洞窟で起きた出来事の影響が、ずっと続いていることも…」
「君の名前は?」
「 Ha〇giです。」